こんにちは。1児のママのにこです。2020年2月に聖路加国際病院で出産しました。その際に、夫婦で話し合ってNIPT(新型出生前検査)を受けました。その時の記録ブログです。
出産前にうける出生前診断は、とてもデリケートな話題です。考え方も人ぞれぞれで、賛否があることも理解しています。それでもこのブログを書くのは、知らないと何の判断もできないと思うからです。出生前診断を全員に推奨することはありませんが、迷っている方にとってすこしでも役に立てば幸いです。
聖路加国際病院で受けられる出生前検査は?費用は?
3つあります。
- 新型出生前検査(NIPT)
- 母体血清マーカーテスト(トリプルマーカーテスト)
- 羊水検査
新型出生前検査(NIPT)|約13万円+カウンセリング料
お母さんの血液中のDNA断片の量を分析して、赤ちゃんの13番、18番、21番の染色体の数が2本か3本かを推定します。確定検査ではありません。正確度は99%以上と報告されていますが、正確度は未確定です。結果が「陽性」とでても、確定ではないため、羊水検査が必要になります。
10週以降のお母さんの腕から採血をし、血液を専門機関に輸送して分析してもらいます。
私はこれを受けました。
母体血清マーカーテスト(トリプルマーカーテスト)|約1万5000円+カウンセリング料
お母さんの血液中の主に赤ちゃんがダウン症候群である可能性について、確率を出します。確定診断ではありません。
14週〜16週にお母さんの腕から採血をします。
検査結果は赤ちゃんがダウン症候群である確率で出ます。例えば1/100などです。その確率をみて「高い」「低い」は(聖路加の場合)医師からはお伝えしません。結果を見て羊水検査を受けるかどうかは自分たちで決める必要があります。
羊水検査|約10万円+カウンセリング料
確定診断です。破水や赤ちゃんが亡くなるリスクがあるため、理由なく受けることは基本的にないでしょう。NITPやマーカーテストで陽性がでた場合に確定させるために受けます。(別の検査で陽性が出ても、受けない=確定させないという人もいます)
15週〜17週のお母さんのお腹に注射針を刺し、子宮の中にある羊水を採取します。羊水中の赤ちゃんの細胞を培養し、染色体の標本を作り、染色体異常の有無を確認します。
聖路加国際病院でNIPTを受けたときの流れ
出生前診断を受けるためには、産婦人科ではなく遺伝診療部のカウンセリングを受ける必要があります。通常の妊婦検診時に(産婦人科の)ナースステーションで出生前診断を受けたい旨を伝えると予約の取りかたを教えてもらえます。産婦人科からの案内は基本的にないので自分で確認&予約する必要があります。
週数によって受けられる検査が異なります。16週を過ぎると対応が難しくなるので(予約がすぐとれない可能性もふまえて)早めに相談しましょう。心拍確認(5~6週)を近所の産婦人科で行い、その後出産できる産院へ転院する人が多いと思います。聖路加診察の初回に相談できるとベターです。
1時間程度のカウンセリングを受けます。私は1人で行きましたが、ご夫婦でいらしている方も多いように感じました。
カウンセリングでは、出生前検査のことだけではなく、遺伝子異常症とは何か、検査で陽性になったときどうするか、検査のリスクをしっかりと説明してもらえました。また、出生前検査でわかる先天異常はほんのわずかで、検査でわからない先天異常もあることを教えてくれます。
カウンセラーさんは、検査を受けたいという気持ちを否定せず、かといって検査へと誘導することもなく、夫婦が決断するための情報提供をしてくれます。そのため疑問も解消され、検査自体を安心して受けることができました。費用の詳細も確認できます。
その場で、検査の予約をとることも、後日電話で検査予約をとることもできます。週数によって受けられる検査が変わるので「この検査は○週のX月X日までに予約を」と教えてくれます。
私は13週で受けました。
夫と相談して決めたかったので後日予約をとることにしました。自分たちは出生前診断を受けると決めていたので、最初はカウンセリングの必要性は感じませんでした。ですが、1時間しっかり専門の先生と話せてよかったと感じています。
当日は、受付、説明15分、採血、お会計の流れ。全体で35分程度でした。事前カウンセリングがしっかりあったので当日はとてもスムーズに進みました。もちろん質問があればその場でできます。
カウンセリングから5日後の14週で受けました。
検査結果の紙をもらい、説明をうけました。結果は21番、18番、13番の染色体がそれぞれ陽性・陰性かが書いてあります。私はすべて陰性だったので「確定診断である羊水検査は受けなくて大丈夫か」を念のため聞かれた程度でおわりました。
(聖路加の場合)羊水検査は15週〜17週に受けます。検査結果を聞く前に陽性がでたらどうするか、夫と話し合いました。私たちは陽性だった場合は、その場で確定検査である羊水検査に申し込む予定でした。
NIPT検査の結果を聞いてから、羊水検査を決断するまであまり日数の余裕がありません。結果を聞くまでの期間でご夫婦で話し合ってみてください。
検査から約2週間後の16週で聞きました。以前、職場に報告したのちに流産してしまったことがある+悪阻がほぼなかったこともあり、職場にはこの検査結果をまってから報告しました。
カウンセリングと検査、結果報告の合計で142,560円かかりました。消費税8%の時だったので、今はもう少し上がっていると思います。
そういえば。性別は教えてもらえませんでした。こちらも聞かなかったのですが、検査結果の用紙にも書いてありませんでした。
▼性別を知りたい人はコチラもチェック
聖路加国際病院で生前検査・NIPT受けてよかったこと
遺伝カウンセリングがとてもしっかりしている
すでに詳しく書きましたが、遺伝カウンセリングを1時間ほど行います。私はNIPTにするか、母体血清マーカーテストにするか迷っていたのですが2つの違いを詳しく教えていただき、疑問が解消されました。生前検査を受けるか迷っている方、自分やパートナーに遺伝性疾患の可能性がある場合はカウンセリングだけ受けてみてもよいかもしれませんね。
優しく、ハキハキとした女性が担当でした。丁寧だけど押し付けがましくなく、ちょうどいい距離感で相談できたので満足です。
NIPTで陽性だった場合、羊水検査を受けられる
NIPTは採血だけの簡単な検査なので、クリニックでも受けられます。ただしクリニックの中には、陽性だった場合、羊水検査を受けられないところもあります。紹介状を書いてくれるところでも、紹介先ですぐに羊水検査を受けられるかはわかりません。羊水検査を受けられる週数は決まっているので、クリニックでNIPTを受けて陽性だったけど、羊水検査を受けられる場所を探しているうちに週数が過ぎてしまったという人もゼロでは無いそうです。
聖路加でNIPTを受けられるのは、聖路加で分娩予定の人だけです。ほかのところでNIPTを受けるか検討している方は、陽性だった時どういう対応ができるのかをしっかり確認してください。
▼陽性だった時に羊水検査も受けられます。クリニックでNITPうける場合は羊水検査が受けられるかを確認してください。
価格が良心的
トリプルマーカーテストに比べると高いので、うっとなったのは正直なところですが。他のクリニックをみていると20万円ほどするところもあるので(その分色々わかるようですが)、約15万円はこれでも良心的なのだなと思います。
性別を知りたい!13番、18番、21番の染色体の数以外も知りたい!という場合は、他で受ける必要がありますね。
確定検査を受けないという決断にも寄り添ってくれる
カウンセラーさんと話していて印象的だったのは「ダウン症は先天異常の中でも、一番情報が多いんです」という言葉でした。検査結果が陽性でも、産むという判断をする方もいるそうです。その場合は、しっかりと準備をしてむかえてあげることができるので、その子にも夫婦にもよいそうです。
もし、おなかの赤ちゃんに病気や障がいの可能性を告げられたら。迷い、とまどい、不安になったりすることとおもいます。そのときは「胎児ホットライン」を思い出してください。
胎児ホットラインはおなかの赤ちゃんに病気が見つかった時、妊婦さんやそのご家族を支える仕組みです。検査実施機関でもなく、当事者団体でもない、安心して相談しやすい窓口として開設されました。助産師、看護師、遺伝カウンセラー、 心理カウンセラー、保健師などに相談することが可能です。
関連性のある情報だったのでこちらに記載しましたが、聖路加と胎児ホットラインは無関係の組織です。
出生前診断を受ける前に必ず確認して欲しいこと
出生前診断でわかるのは染色体異常症だけということを知る
専門家ではないので詳細は書きませんが、先天異常は染色体だけにおこるものではありません。産まれる前にわからないことが多いです。出生前診断で陰性だったからといって100%健康な赤ちゃんが生まれるわけではありません。そこを踏まえてもなお、出生前診断を受けるかを考えてみてください。
「陽性」だった場合どうするのか夫婦の考えは一致しているか
受ける前に夫婦で「陽性」だった場合どうするかをよく話し合いましょう。母体血清マーカーテストの場合は、確率で出てくるのでどれくらいの確率だったらどうするかを考えておくとよいと思います。
もちろん、妊娠週数がすすむなかで気持ちはどんどん変わっていきます。検査前と検査後で気持ちがかわることもあるでしょう。どちらか一方の思いだけが先行してしまわないよう、十分話しあいましょう。
私たち夫婦が、母体血清マーカーテストではなくNIPTにした理由は、1:価格は高いが胎児に危険がない検査の中で精度が高い。2:血清マーカーテストは結果が確率でるが、その確率が高いか低いかを判断するのがとても難しいと感じた。この2点です。
「陽性」だった場合の病院側の対応
聖路加では陽性だった希望者は、確定検査である羊水検査を受けることができます。クリニックで受ける場合は検査後の対応をしっかりと確認してから受けましょう。
例えば、東京・大阪に医院を構える「八重洲セムクリニック・奥野病院
出生前検査。受ける前によく話し合い、よく調べて
聖路加国際病院で受けられる出生前検査について実体験を中心にまとめました。
受けるのか、受けた時に陽性だったらどうするか、迷うと思います。身近な人には相談しにくいですし。いろんな意見はありますが、ご夫婦の決断が優先されるべきだとおもいます。この記事が、検査を考えている人の参考になれば嬉しいです。
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